橘通中央商店街

服地のサカモト「洋服、布地のコンシェルジュを続けていきたい」

服地のサカモトさんの「リメイク」

新型コロナウイルス感染症の感染拡大期間中のお仕事の変化はどうですか?

結婚式や大規模な会議もほぼゼロになり、そもそも晴れの舞台がほとんどなくなってしまったので、その部門の仕事はかなり減りました。
その代わりに、お客様が家にいる時間が増えたので、クローゼットの整理をする人が多くなったようです。昔買った服で「ここをちょっと直せば着れそう」というようなものを見つけ、リフォームやリメイクなどのお直しをご依頼される方が増えました。
期間中は、オーダーよりもリフォーム・リメイクのご依頼が多くて逆転していました。こんなことは初めてで、私達も驚いています。

今で言うSDGs(持続可能な開発目標)ですよね。
昔から自然に取り組んでいたのでしょうけど、思い入れのあるものを大切に着たいと思う人がさらに増えたように感じます。

こちら(写真参照)のエコバッグは、もともと新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で企画されていたイベントが中止になってしまったときに使用するはずだった幟(のぼり)です。
ご依頼いただいた企業様が、何とかなにか形にできませんか?とお持ちになられました。
そこで、当店でリメイクしてエコバックにしました。

のぼりリメイクエコバッグの写真

かわいい〜!

当店のスタッフが、折角なので幟(のぼり)に描かれている牛の柄や顔を活かせるデザインにしよう!と試行錯誤して、お仕立てしました。

おもしろいリメイクの依頼とか来ますか?

リメイクではないのですが、新規のご依頼であったこちらでしょうか。(写真参照)
カラオケがご趣味のお客様からマイク入れを作ってくださいとご依頼を頂き、せっかくなら使いやすいようにマイクのバッテリー用の収納ポケットまでお付けしました。

マイク入れの写真

細やか!

イメージも「折り畳み傘のケースみたいなものがいいです」とご依頼いただきました。
そこで、マイクがすっぽり入るように※襠(まち)を入れ、これぐらいの大きさですねという感じでお客様と打ち合わせをして作りました。
※襠(まち):製品に設けられた「遊び、奥行き」の部分のこと

心に残っているリメイクはありますか?

どのリメイクにも思い入れはあるのですが、特に印象に残っているのは、身内を亡くされたご家族の方が遺品のジャケットを持っておみえになり、ご相談いただいたことです。
最初はティッシュケースをお仕立させていただいたのですが、とても気に入ってくださり、バッグも作ることになりました。
ジャケットではなかなか着る機会がないけど、こういう形だったらその方を近くに感じられるかなぁとおっしゃって、すごく喜んでくださいました。

すごく素敵です

他には、とある企業様からご依頼を受けて、その企業様の社員の方が普段着ていらっしゃる制服を子供用のサイズにしてお仕立させていただきました。
会社の職業体験などの子供さんが集まるイベントなどで着てもらえたみたいです。

子供サイズの制服の写真

子供用!大人用と見まごうほどのクオリティですね!

そうなんですよ、すごいんです。(笑)

あとは、ウェディング関連のグッズも作りました。
こちらは(写真参照)サッカーが大好きなご主人が、ぬいぐるみにユニフォームを着せたいというご要望を受けてお仕立てしました。
人形はお客様がお持ちになられたので、当店のデザイナーが人形の寸法を採寸しました。

ご希望の柄がみつからなかったので、水色の生地に別の色の生地をのせ、ユニフォームのストライプ柄も作ったんですよ。

本当に細やかですね!

ウェディング関連グッズの写真

苦労されたご依頼などはありますか?

見本など現物があるとありがたいのですが、形のないものから作ってくださいという依頼のときは試作してご確認いただくことが多いです。

例えば、重いものを持たれる方のための補助器具(サポーターみたいなもの)を製作中のお客様から、そのサンプルを当店で形にしてくれませんか?とのご依頼がありました。

お客様の頭の中に設計図があって、口頭で説明を受ける感じですか?

そうです。
最初にそれを伺って、イメージに近い既製品のサポーターを購入してきて、社内で研究して、要件を詰めていきました。

それはもう、設計から始まったと言ってもいいですよね

そうですそうです。
何回か試作して見ていただいて打ち合わせをし、また修正してというのを6回ぐらい繰り返して、半年ぐらいかけて完成させました。

不躾な話ですが、こういったご依頼は利益になるんですか?

お見積りは無料でいたしますが、試作までなどプロセスを区切り、かかった費用はいただいております。

技術料ということですね

縫製のクオリティは譲れないですから。

入学グッズも良いですね

そうですね、お客様がお持ちになる生地でも対応してるんです。
宮崎県は他の都道府県に比べて入学グッズの寸法がきちんと決まっているようで、〇〇は13センチ✕15センチと細かく指定されているため、一つひとつ対応させていただいています。

じゃあ入学シーズンは忙しいですね

そうですね、特に2月から4月は多くのお仕立を承っています。

洋服のリメイクは今の時代にピッタリですよね

リメイクで言うと、着物からお洋服のお仕立てが多いですね。
もう自分が着る機会がないとか、お孫さんや娘さんに譲ったけど着ないからと言われ、タンスに眠っていたり。
リサイクルショップに持ち込んでも、なかなか高値でというようにはならないようです。
そこでリメイクして、お洋服として着れるようにしたいとお持ちになられる方が多いです。

こんな感じですね(写真参照)

着物リメイクの写真
着物リメイクの写真

うわぁ、すごいですね!

着物をコートにリメイクすると、着る機会が増えたと言われますね。
着物からお仕立てしたコートは独特の雰囲気があるので、いろいろな方に声をかけられるらしいんですよ。

味が出るなぁ、すごい素敵ですね

デザインもご提案することが多く、よく考えられるなぁとお客様に言われますね。
やはりそれだけの引き出しを当店の洋裁部が持ってるから対応できるんです。

着物リメイクの写真

生地の販売もされてるんですよね

基本、当店にある現物の生地は10センチ単位でカット販売できる生地が多いんですけど、サンプル(見本)からのご注文は1メーターからのカット販売になります。
サンプルも含めて取り扱いしている量は約10万点と、おそらく南九州では当店が一番生地の種類が揃っていると思います。

販売生地の写真

県外のお客様もいっぱいいらっしゃるんですね

そうですね。
年々、服地や手芸店は減少していることもあり、当店のようにあまりネットで発信している店舗は少ないようです。
当店はお店の宣伝だけでなく、宮崎には和裁も洋裁も専門学校がないので、洋裁人口を少しでも増やしたいという思いで発信しています。

SNSのDMからお問い合わせがあったりするのですか?

はい、あります。
東京都にお住まいの方からインスタグラムにお問い合わせをいただき、スーツ用の生地をご注文いただくこともありました。

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