橘通中央商店街

服地のサカモト「洋服、布地のコンシェルジュを続けていきたい」

服地のサカモトさんの「青春との関わり」

2022年から3年ぶりにえれこっちゃ祭りなどのお祭りが開催されはじめますが、お祭りの衣装を作られていると伺いました。

私の母が窓口になって、お祭りのダンスチームから今年は4チームお受けしておかげさまで納品まで終わりました。

メーカーさんや縫製工場などに頼まれたダンスチームさんもいらっしゃるらしいのですけど、思い通りにでき上がってこないこともあるそうです。
当店の場合は、宮崎市の中心市街地という立地もありますし、当店のデザイナーがすぐ形にしてくれるので、デザインの細かいところなども詰めやすいのかなと思っています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大でイベント事が中止されたりすることが多かったですが、衣装を作成したのは久しぶりでしたか?

(お母様)
それがですね、高校のダンスチームってすごいんです、衣装への思い入れが強くて!
毎年毎年、最上学年の生徒さんが、早いところで11月ぐらいに打ち合わせにみえるんです。
「この曲なんですけど、こんな風に作りたいです」と打合せをして、サンプル服ができても「イメージしたのと違う」となると、さらに細かく意見を聞いて、本体を作り上げていきます。

当店でお受けするダンスチームの方は、出番は※えれこっちゃの審査だけではなくて、学園祭や希望があれば慰問などにも行ってパフォーマンスされるみたいです。

衣装のお仕立て以外にも、生地などご相談いただければと思います。

※えれこっちゃ:宮崎の中心市街地で行われる祭り

04 ソーイング教室は「手ぶらで簡単、あなたは縫うだけ」

ソーイング教室は、3時間で1着完成させるのでしょうか?

1着を縫う工程の中から最後の3時間を一緒に縫うというイメージです。

ソーイング教室の写真

このソーイング教室は、”手ぶらで簡単、あなたは縫うだけ”というコンセプトで開催しています。

宮崎にもさまざまな洋裁教室はありますが、月謝払いで基礎から習いたいという方のための教室が多いようです。
型紙を引くところから始めて、裁断、縫製みたいな感じでしょうか。

ただ当店のソーイング教室は、忙しくて基礎から習う時間はない、けど1着洋服を縫ってみたい!といった方でも参加できるようにしたかったんです。

でしたら興味があってちょっと始めてみたい初心者の方でも参加しやすいですね

当店のソーイング教室の参加者は初心者の方が多いですね。7割ぐらいが初心者でしょうか。
「ミシンを持っていない」、「雑巾を縫ったのが数十年前」という方も安心してご参加いただけます。

服地のサカモトさんのソーイング教室に参加したい場合は、どうすればいいのでしょうか?

まずはご来店いただき、打ち合わせをします。
参加したい日から10日前くらいまでに当店に来ていただいて、デザインを決めて、生地を選び、採寸をします。

例えばブラウスを縫いたいという方でしたら、当店の店頭にあるものを実際に着ていただいて、「着丈はもう少し長いほうがいい」とか「もうちょっとこの辺にゆとりがあるほうがいい」などのご要望をお聞きして、考えがまとまったら当店のスタッフが採寸を行います。

服地の写真
服地サンプルの写真

希望するサイズ感で採寸してもらい、自分で縫って着れるのは、最高にうれしいですよね

お客様の中には、体型にお悩みを抱えている方がいらっしゃいます。
洋服で自分の好みのものがないからということで、当店のソーイング教室で自分で洋服を縫ったら、その洋服をご家族に褒められたそうで、それから劇的にお洋服の好みもお気持ちも変わった方もいらっしゃいますね。

自信がついて、今度は新しいデザインの洋服を縫いたいとおみえになりました。

自分で縫った洋服を着て食事会に行ったら、友達に、「その洋服どうしたの?」「自分で洋服を縫ったの?」「すごいね、似合ってる!」と言われ、すごく自分が洋服を着るのが楽しみになりました、という方も結構いらっしゃいます。

素敵ですね!

最初は暗い色、例えば黒や紺など落ち着いた色柄しか選ばれていなかった方でも、大胆な柄や鮮やかな色の生地に挑戦されたり、自分の好きな洋服を着て生き生きとされるようになった方もいらっしゃいますよ。

ソーイング教室の制作物の写真

ソーイング教室で縫うものは基本は女性用ですか?

基本はそうです。
ですが最近は、男性の方でもTシャツなどを縫う方などいらっしゃいますよ。

わぁ素敵!裁縫男子!

お若い方で、特に20代や30代の男性の方が多いですね。
シンプルなTシャツを縫ってみたいというのと、自分で選んだ好きな生地で縫ってみたいというご希望の方ですね。

リピーターの方も多そうですね

そうですね、リピーターの方も確かに多いです。
当店のソーイング教室は1回完結型ですので、例えば、ご両親の介護が落ち着いている時期だけ参加される方や、3か月間集中的に2週間に1回のスパンで参加されて、また1年くらい空いて、次また来れるタイミングでといった感じの方もいます。半年に1回、1着自分へのご褒美で洋服を縫うという方もいらっしゃいます。

月に1着ペースで5年以上通われている方だと、60着以上も当店の教室でお洋服を縫っていただいています。
気に入ってくださり、嬉しい限りです。

ソーイング教室に参加できる人数は1回につき大体2人くらいですか?

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の前は、お1人での参加の方でも基本2人ずつ揃って開催してましたが、感染拡大の後になってからは、面識のない方同士での接触は当店も避けています。
ですので逆に今がソーイング教室に通うチャンスなんですよ、マンツーマンで教えられますので。
お友達同士や姉妹の方でも参加されるのですが、そういう場合は2人一緒ということで最大2人ですね。

ミシンの写真
服地の写真

夏の暑い時期に快適に着られる生地がいいというオーダーだったら、どういう生地をおすすめされますか?

まず生地が天然素材でも大丈夫な方でしたら、綿とか麻ですね。
ただ綿の中でも、ハチマキとかゼッケンに使うような※ブロードという生地なのですけど、ちょっと分厚いんですよ。

※ブロード生地:生地面に横畝(よこうね)がある高密度な平織り生地のこと

私が着ているような綿ローンという生地になると、細い糸でサラサラしていて軽いし涼しいというメリットがあります。
それに綿ローン生地によっては、シワになりにくいものもありますよ。

麻のシワが気になる方は、タンブラーワッシャー(写真参照)という洗いがかけてあるものもあります。
他にも、ポリエステルでフェイクリネンというリネンに似せた生地があるので、お客様へヒアリングしながら生地をおすすめしています。

服地サンプルの写真

素材が肌に合わないという方もいますよね

デリケートな肌の方はそうですよね。
洋服を購入したけどチクチクして着られないから何とかできませんか、というお客様も多いです。

そういう場合は、チクチクしない素材を探したり、洋服に裏地をつけるご提案をしています。
裏地の中でもポリエステルの裏地はべたべたするので、ナイロン製のニットや薄い綿の生地もおすすめしています。

私(インビュワー)は麻が好きなのですが、扱いが難しいイメージがあります。アドバイスをください!

基本的には洗濯時に脱水をきつくしなければ大丈夫です。

洗濯のすすぎが終わって、脱水が始まってから30秒から1分ぐらいたった時に1度取り出して、水がぽたぽた落ちない程度、まだ脱水しきれていないかな?ぐらいで日陰に干せば、アイロンをかけなくてもきれいに乾きます。

なるほど!坂本さんは知識が豊富なので、相談したくなります!

以前、生地屋なのにテレビで洗濯特集のコーナーに出たりしました。
お話しをいただいた時は、専門外では?と思ったりもしました(笑)
しかし生地の扱い方などを教えてほしい方も多いと思うので、お話をお受けしましたね。

ソーイング教室以外に、定期的に開催されているお店のイベントはありますか?

新型コロナウイルス感染症の感染拡大中というのもあるのですが、特に定期のイベントというのは行っていないですね。
以前は、2月14日のバレンタインデーにあわせてソーイング教室のハードルをもっと低くしたバージョンで「マフラーを縫いましょう」というイベントを開催していました。
当店にあるマフラーに合う数10種類のウール生地の中から好きな生地を選んでもらって、直線でマフラーを縫って※フリンジをつけるという作業で、大体2時間ぐらいで行うソーイング教室です。

※フリンジ:ふさ飾りのことです。マフラーやストールの端に用いられることが多いパーツ。

現在はそういったイベントをお休みしていますが、またイベントは開催したいですね。
ウールの生地は軽くてあたたかいものが多いので、その良さにぜひ触れてもらいたいです。

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