ハイカラ通り商店街

Redbedhead「次のステップが苦しいとわかっていてもそちらの方を選んでしまう」

Redbedheadさんの経験を活かして

隣のThe Vaseザ ヴァーズ はどういうお店なのですか

隣は、フリーランスの美容師たちが出勤日数など完全自由で、完全歩合制で働いているお店です。
美容室を出すとなったら、お店の家賃や施工費、設備費などお金がかかるので、借金を背負うことになります。それを僕が場所とシステムを作って、あとは自分の色で自分のお客様を増やしていくという感じでやっています。必要な設備や資材、初期スタートキットを僕が揃えて準備しています。僕が経験してきた楽しさを、リスクなく始めてもらえる場所として完全独立と雇用との間のような働き方ですね。

時代的に、集団の時代から、個人の時代になってきていると思います。SNSでのセルフブランディングやアプローチが、個人でもできる時代になってきています。
僕らが美容師になった頃は、お店がタウン誌などの雑誌にお店の情報を載せたり、目立つところにお店を出したりして集客をすることが普通でした。
ですが、今力量がある美容師だったら、どこだろうが忙しくなれると思います。実際、僕も路地裏で、最初こそ看板を出しましたが、それでもやってこられました。

完全歩合だと保証がないので、保証と拘束時間を取るか、自由と責任を取るのか、というのはあります。やはりフリーランスは自由に見えますが、全ての責任が自分に乗っかってきますからね。その代わりキックバックがすごく大きい仕組みにしています。雇用されていたら絶対に稼げない額を稼げるようにはしています。

TheVase店舗前

The Vaseでならできる、ということですよね

そうです。施術の値段も自分たちで決めていますし、メニューやコース、出勤時間や休みなど全て、それぞれで設定しています。
同じお給料をもらって仕事の量に大なり小なりがあると平等ではあるけど不公平なので、僕はあえて不平等な仕組みを作って各々の頑張りに対して公平に歩合給として返すような形を取ってます。

それで、ウェブサイトにスタイリストの方それぞれのページがあるのですね

例えば施術の数をこなしたい人は値段を下げればいいし、自分のブランドの価値を高めたければ値段をそれなりに設定すればいいと思います。ブログやSNSなど、お店から言われてイヤイヤするよりは、明日の1人を掴みに行く思いで、1投稿した方が大きいと思います。
The Vaseで働く前に、フリーランスの方に「これは雇用じゃないから」というのは必ず言います。日本人として、雇用という概念、福利厚生などの概念がどうしても抜けないようですが、美容師としては、僕と対等なんです。

そういうことをするための場所を作られたのですね

そうです。僕が会社として作っています。
大きい屋根はかかっているのですが、Redbedheadも、The Vaseのフリーランスの方もぶら下がっている状態は一緒なんです。
僕はRedbedheadとThe Vaseでお客様を同時施術しているので、アシスタントを使っています。
予約のお客様がたくさんになりすぎて、予約が取れない状態になり、どうにかしなければと数年考えていました。この場所に愛着もあるし、移転もしたくないと思っていたら、運よく隣が空いたんです。その時に、頭の中で考えていたフリーランスのお店と、僕の予約の人数を増やしたいというのを、隣という立地を使って実現させることができたんです。
隣の屋号もRedbedheadという名前にしてしまうと、フリーランスの方が僕のスタッフにみえるので、屋号も変えました。僕も隣を間借りしているような状態です。

それはまさに海外での経験があったからですね。The Vaseのフリーランスの方たちも、最終目標は独立なのでしょうか

そうですね。
それこそ4年半ぐらいいた主婦のフリーランスの方がいたのですが、近くのスパサロンから「お店を引き継がないか」と居抜き物件の引き継ぎの話があったんです。
その方はもともと別の美容室に雇用されていて、僕のところでフリーランスとして個人事業主をしていました。フリーランスとしての経験があるので、自営業の感覚は掴みやすいと思います。
やっていることがお客様に見えづらいので、「隣も美容室だけどRedbedheadは大丈夫なの?」と聞かれることもあります(笑)

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