若草通側から一番街側へと信号を渡り、アーケードを歩いて30秒。最初の交差点左手側2階に位置するのが、珈琲ハウスメルビィです。創業当時から一番街の同じ場所で営業する老舗喫茶店は、2024年で創業から55年目を迎えます。
今回は店長の関谷誠さんに、お店の歴史や魅力、働くうえで大切にしているエピソードなどを伺いました。
珈琲ハウスメルビィさんの「はじまり」
メルビィさんの歴史から聞かせてください。
メルビィは現在オーナーを務める社長のご両親が、1970年(昭和45年)に創業したのがはじまりです。店舗の場所も今と変わらず一番街のこの場所でオープンして、今年(2024年で)55年目を迎えます。
関谷さんが店長を任された経緯を聞かせていただけますか?
メルビィは創業者のご両親からお店を引き継いだ社長が、長年店長を務めていました。しかし社長業との兼業が忙しく、新しい店長を探していました。
ちょうどそのタイミングで、私は働いていた鹿児島のラーメン店を閉じ、宮崎へ戻ってきていました。たまたま私の父と社長が知り合いで、「メルビィの人手が足りず困っている」という話しから、それならばとお声かけをいただいたのがきっかけです。2023年の9月から店長を任されています。
メルビィさんの「お店」
お店のコンセプトやテーマなどはあるのでしょうか?
創業から変わらない味や雰囲気は大切にしています。
店の人気メニューであるトンチキカレーやミートソース、冷汁などは社長が自ら考案したメニューで、現在でも味付けは当時と変わらないまま引き継いでいます。レトロなお店の雰囲気も、創業時から守り続けている部分です。
その一方で「新しいことにトライする」姿勢は大切にしていて、社長も私も、絶えず新しいことにチャレンジするのが信条です。たとえば、他店舗さんではあまり見かけない週替わりのメニューの提供や、日替わりのスープなどもその一つです。それから夏場にはかき氷を提供しているのですが、自家製黒砂糖シロップをかけた「黒くま」は宮崎でも珍しいので、シーズンにはぜひ召し上がってもらいたいですね。
お店を訪れるお客様の年齢層はどれくらいですか?
老若男女、幅広い世代のお客様に訪れていただいています。つい先日は20年ぶりに訪れたお客様から接客中に声をかけていただいて、当時の変わらない雰囲気をとても懐かしがってくださいました。若い世代のお客様が訪れてくださる頻度も多いですね。
メニューを拝見すると、宮崎の郷土料理が多いのが印象的でした。
これは先ほどの「新しいことにトライする」という話にもつながるのですが、創業当初に比べて周辺にホテルが増えたことで、県外の観光客が訪れてくださる機会が増えました。そういったお客様に宮崎の味を楽しんでいただくために、チキン南蛮やメヒカリ、冷汁といった郷土料理のメニューを提供しています。