メルビィさんと「街中」
街中の印象についてはどのように感じていますか?
私が宮崎で過ごした学生時代は街中によく友達と出掛けて過ごしていた記憶があります。その後大阪に移ってからは、イオンモール宮崎がオープンして街中が寂しい時期が続いていると、友人から伝え聞いていました。大阪のテレビ番組で宮崎が取り上げられるとチャンネルを止めていたのですが、確かに学生時代に比べて街中が閑散としているのが気掛かりでした。もともとニチタチをはじめ夜の街は人が多かったですが、なかなか昼間の時間帯は賑わいが少なかったですね。
その当時に比べると、ずいぶんと人の流れが戻って賑やかになってきたと感じています。特に週末の昼間は若い人が多く出歩いていて、おかげさまでメルビィも満席が続いています。街中のお店で働く方々や行政の取り組みが、やっと形になって成果がでてきているのかもしれませんね。
確かに街中に賑わいが戻って活気づいてるように感じますね。
コロナ禍の時期などは本当につらい時期を過ごした方々も多かった。かくいう私も、コロナ禍の時期は宮崎で居酒屋で働いていた時期で。ちょうどコロナ禍の第一波の時期でした。2020年だったかと思いますが、年明けは若者が来店し賑わっていたのが、3月が明けるとぴたりと客足が止まり「これは大変なことになったな」と。
先行きが見えない中で、飲食店で働くには昼営業のお店に移動しないと難しいと考え、知り合いが昼営業をしているラーメン店へ転職をしました。
そういった経緯があって、鹿児島で働いていた時期があったのですね。
あの時期は本当に苦しい時期を、みんなで必死に耐え忍ぶ毎日でした。街中の人たちも、本当につらい時期だったと思います。
それが今は幅広い世代の人が訪れてくれて、駅前にはアミュプラザ宮崎や、ナナイロ(旧ボンベルタ橘)にはMEGAドン・キホーテがオープンするなど、若い世代の方が訪れやすい街にどんどん変化しています。
メルビィさんの「これから」
メルビィさんのこれからについて聞かせてください。お店として取り組んでいきたいことはありますか?
これからも最初にお話ししたコンセプトどおり、これからも老舗の喫茶店としての良さをしっかり守りながら、その一方で新しいことにトライするお店であり続けたいと思います。それは社長はもちろん、私も同じ思いを持っています。常連のお客様にとっては「憩いの場」として、新規のお客様にとっては懐かしさを感じる秘密基地のような感覚で、幅広い世代の方々に愛されるお店であり続けたいですね。
それから、これだけ歴史が長くなると、世代をまたいで訪れてくださるお客様が多いのもメルビィの特徴だと思っています。親子連れやお孫さんと、「昔、一緒に来たよね」と当時を懐かしみながら訪れてくださるのを楽しみにしています。
最後に、これから宮崎の街中がどんなふうに変化すればいいと思いますか?
もともと宮崎はおいしい食べ物や食材がたくさんあり、魅力ある観光地もたくさんあります。これまではなかなか県外の方にそれを認知していただく機会が少なかったのですが、先ほども話したように、街中のお店の方々や行政が粘り強くPRに取り組んだ成果が表れています。ですので、「このままみんなで頑張りましょう」というのが率直な気持ちです。
特にコロナ禍を経験してから、より一段と「街中のみんなで力をあわせて頑張ろう」という機運が高まっているように感じます。その流れを止めることなく、このまま素敵な街へ成長していければいいですね。メルビィもその一助になれればうれしいです。
街ぐる取材班 編集後記
ライター
後藤孝明
大阪で10年修行を重ねた関谷さん。私も学生時代を関西圏で過ごしたため、ついついお互いに関西弁で話してしまう場面も。修業時代や大阪時代のエピソードはとても興味深く、ついつい取材を忘れて話が盛り上がってしまいました。
老舗の趣と新しいチャレンジを続けるメルビィさんが、これからも親しまれ続けるのを楽しみにしています。