ハイカラ通り商店街

ぐりーんろーず山形屋店「街のお花屋さんとして、年齢性別問わず気軽に立ち寄ってもらえる空気感を作りたい」

ぐりーんろーず山形屋店「街のお花屋さんとして、年齢性別問わず気軽に立ち寄ってもらえる空気感を作りたい」

宮崎市内でも交通量が多い橘通3丁目交差点からほど近い場所にある、ぐりーんろーず山形屋店。長年、街を行き交う人々を優しく見守り続けているような、落ち着いた佇まいの花屋さんです。

今回は、ぐりーんろーず山形屋店の店長・柴髙則子しばたかのりこさんに、花や街にまつわるエピソードや花屋としての思いについてお話を伺いました。

ぐりーんろーず山形屋店さんの「はじまり」

冷蔵ショーケースいっぱいのお花

山形屋内にあるこの店舗ができて何年くらい経つのですか?

34年くらいです。もともと別のオーナーが経営していたのですが、数年前から今のオーナーに変わりました。

私はぐりーんろーずに勤めて34年目、店長になってから30年ほど経ちます。

この店舗の近くにもお店がありましたよね?

はい、もともとハイカラ通りに本店がありましたが、2023年の11月に閉店しました。2店舗が隣接している形でしたので、それを1ヵ所に集約したという感じです。

この場所にお店構えた理由を聞かせていただけますか?

ぐりーんろーずが入る前にも、この場所には花屋さんがあったそうです。その後、物産展なども短期間入っていたそうですが、大きな交差点があり人通りが多いこの場所に彩りを添える花屋があったほうがいいということで前オーナーが山形屋さんにお話をしたようで、そこからトントンと決まったみたいです。

ぐりーんろーず山形屋店さんの「お店づくり」

この店舗では何名の方が働いているのですか?

私も含めて3名です。

ぐりーんろーずさんは他にも系列のお店があるそうですね。

はい、ぐりーんろーず山形屋店のほか、オーナーが居る店舗が田野のフルールHanaMame、予約制花屋の花まめ清武、市場での仲卸をしているぐりーんろーずがあります。

系列店で仲卸もされているのですね。花屋としてはやはりメリットがあるのですか?

ほかであまり出回っていないものや珍しい花が入ってきやすくはなりますね。また、花が足りなくなって急遽必要になったときや、競りがない日に花がほしい場合も仕入れることができます。

ぐりーんろーず山形屋店さんではどのような商品を扱っているのですか?

切り花や鉢植え、プリザーブドフラワーやシャボンフラワーなども扱っています。また、注文をお受けして、贈り物用の花束やフラワーアレンジメントも制作しています。

扱ってるお花は年間通して何種類くらいあるものなのでしょうか?

店内のスイートピーなどたくさんのお花

何種類あるんだろう。たくさんあるので意識したことがないですね(笑)
バラやガーベラ、カーネーションなど年間を通して入ってくるものに、例えば春だとチューリップやスイートピーなど季節の花が入ってくる感じです。

同じ花でもそこから色や形など品種が違うものがたくさんありますので、同じ赤い花でも数十種類になるものもあるんです。

冷蔵ショーケースに並べている1つのバケツに切り花が150〜200本は入ります。いつもその冷蔵ショーケースが満タンになるくらいは仕入れていますので、かなりの数になると思います。

花が店頭に並ぶまで、どのような準備が必要なのですか?

まず、切り花の競りは毎週月曜・水曜・金曜の週3回で、競りが始まる時間も魚や野菜の競りに比べるとちょっと遅いんですよね。だからお店に花が届くのがお昼くらいになります。

店舗に花が到着したら、花の下のほうにある葉を取ったり茎を切って水揚げをして、1〜2時間水をしっかり吸わせてからお客様に販売するという流れになります。

季節によって花の種類が変わってくると思いますが、花が少ない時期はいつですか?

夏はやっぱり種類が少ないですね。花は生き物ですので暑さや湿気で持ちも良くないですし、他の時期に比べて枯れるのも早いです。

お花を扱ううえで特に気をつけていることはありますか?

花は折れやすいし繊細ですので、優しく扱うことは大切ですね。
入荷したばかりのお花でも雨が続くと蒸れて腐ることも結構あるので、そこは特に気をつけています。

どのような用途でお花を買いに来られるお客様が多いですか?

この付近はオフィス街ですので、会社員の方が送別の花などギフト用として購入されることもありますし、ご自宅に飾るために1、2輪買われるお客様もいらっしゃいますし、半々くらいですかね。

男女別でいうと、女性が多いです。男性は花屋に一人で入るのが少し恥ずかしいみたいです。

長年花屋で働いていて、昔と今とでお客様や用途など、傾向が変わったことはありますか?

最近は若い男の子が、制作した花束を見て「わーきれい!」と言ってくれるようになりました。以前はあまりそんなことがなかったんですが、男の子も花をきれいと思う感性を持っているんだなと、最近はよく感じるようになりました。

私たちぐらいの世代の男性は、購入した花束を隠して持って帰ろうとしたり、袋に見えないように入れてほしいと言われる方も多いのですが、最近の若い男の子は「きれい」と言って、お花が見える状態でそのまま持って帰ります。それでいうと、お花に関する感性は男女で差がなくなってきていますね。

購入される用途としては、今も昔もあまり変わらないですか?

そうですね。お誕生日やお見舞い、送別など、そのあたりは今も昔も変わらないですね。

ただ、新型コロナウイルス感染症が流行した時期は、バレエやコンサートなどの発表会や送別会などもおこなわれませんでしたので、そのときは注文はかなり減りましたね。最近やっと元に戻ってきたかなという感じですね。当時、仕入れは調整していましたが、やはりロスもありました。

ただ、送別会はできないけどお花だけは渡したいという方も結構いらっしゃったので、そこはお客様に助けていただきました。

お店として大切にしていること、ここを大事にしながらお花と接したり接客したりしているということはありますか??

お客様との対話を大切にしています。今はSNSなどで見た画像を持ってこられるお客様が多く、お客様がどんなものを望んでいらっしゃるのかがこちらにも伝わりやすいのですが、言葉だけで表現される方も結構いらっしゃいます。

「こんな雰囲気で作ってほしい」ということを言葉で説明してくださるので、それをいかに自分で想像して表現できるか、そういう技術はやっぱり必要ですし、大切にしているところです。

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