若草通商店街

Collect「宮崎に来る目的の場所になれたら」

Collect「宮崎に来る目的の場所になれたら」

宮崎市中心市街地商店街の若草通商店街を歩いていると、一際目を引くオシャレなお店「Collectコレクト」さんへ取材にお伺いしました。
取材にはオーナーの大山さんと店長の佐々木さん(写真:右)、撮影にはスタッフの山内さん(写真:左)にもご協力いただきました。
オンラインショップも運営されているCollectさんが幅広く取り扱われているブランド、商品、そしてお客様に対するこだわりと愛情をお聞きしてきましたので、ぜひご覧ください。

Collectさんの「はじまり」

Collectさんは、主にどういったものを扱われているのでしょうか

(大山さん)
メンズのカジュアルをメインに、きちっとした場でも出られるようなドレスアップのものから、ストリート系のファッションまで、ジャンルを問わず幅広く取り扱っています。

若草通商店街にお店を出されたきっかけを教えて下さい

(大山さん)
30年くらい前の若草通商店街は、僕と同世代の人たちからしたら、セレクトショップと言ったらこの辺りのイメージが強かったんですね。
学生時代は特に、よく洋服などを買いに来ていました。

当時はこの辺りにお店を出そうと思っても坪単価がすごく高かったらしいんです。
その時と比べて、今は郊外と比べてもあまり変わらないくらいになってきています。

そういうことも含め、お店を出すと考えたときに、若草通商店街であれば、既にセレクトショップなどファッションのイメージが定着しているし、僕らも洋服を買いに通っていたりした思い出もあるので、ここでやりたいと思ったことが一番ですね。

以前取材させていただいた四季通り商店街のお店の方も、おそらく同じ世代の方だと思うのですが、そういった当時の文化にとても影響を受けたとおっしゃっていました

(大山さん)
そうですね。
以前の街中ぐるっとさんの記事にも何度かお名前が出ていたTYPEさんを筆頭に、文化やファッションに対してとても影響力がありました。

(佐々木さん)
買い物をしたときにもらうショップバックを普段使いで持つのが、1つのステータスになっていたりもしましたね(笑)

この場所は、その時から決めてらっしゃったんでしょうか?

(大山さん)
前職は株式会社アラタナ(以下:アラタナ)という会社に勤めていたのですが、そこで「COLLECT STORE」というプロジェクトが持ち上がりました。
同じ若草通商店街にある「WAGON」さんとの合同プロジェクトで、アラタナはIT、「WAGON」さんはセレクトショップという形です。
「WAGON」さんは当時すでにセレクトショップとしての実績がありましたので、接客力に定評があるし、仕入れもできます。
当時から、実店舗だけではなくWebも活かして販売していかなければならない時代になっていきつつあったので、それぞれの強みや人脈などを活かしてやりましょうというプロジェクトでした。

もともと僕自身が洋服もすごい好きだったし、実家も商売をしていたこともあり、いつか自分も商売をやりたいと考えていたので、これはチャンスだと思って「やらせてください」と手を挙げました。

メーカーさんからものを仕入れようとすると店舗も絶対に必要なので、最初は今の株式会社まなびとさんの事務所があるところに出店しました。
現在の当店があるこの場所は、以前はアラタナのオフィスがあったのですが、移動するとのことで空いたんですよね。
たしかアラタナの前だったかと思うのですが、昔はNIKEのオンリーショップがあったんです。
そのお店も好きでしたし、もともと働いていた場所で愛着がありましたから、ぜひここでやりたいと思い、移転してきました。

※現在はECサイトを「COLLECT STORE」、実店舗を「Collect」と呼称しています

Collectさんの店内の様子

やりたいと思っていたこととプロジェクトが持ち上がったときのタイミングも良かったんですね

(大山さん)
そうですね、すごく運が良かったと思います。

Collectさんで取り扱われているのは、メンズ服だけですか?

(大山さん)
今は、レディースも一部取り扱っていますが、以前はメンズ服のみでした。

当初のメンズ一本でというのは、何かこだわりなどがあったんでしょうか

(大山さん)
レディースとメンズのものを扱う上で、商習慣、つまり仕入れの仕方など考え方が違います。
レディースはトレンドの移り変わりがメンズに比べて早かったりもします。
去年はトレンドですごく人気があるアイテムでも、今年のトレンドからはもう外れてしまうなんてことも多くあったりするんですよね。

たしかに、雑誌を見ていても「去年買ったあれ、もう見なくなったな」というアイテムがあったりして驚きます(笑)

(大山さん)
あとは、携わっていた人間がメンズばかりだったのでレディースの服を取り扱うにもノウハウがなかったんです。
メンズ服だったら、まずは自分たちが好きなもの、良いなと思うものなど、感性を頼りにした仕入れがやりやすかったのもあります。
商売をする上で一番売れる確率の高いメンズをやろうと思ったんです。

そこから徐々にレディースも取り扱われるようになったんですね

(大山さん)
長くやっていると、たくさんのお客様に来ていただくようになりました。
当然、ご夫婦やカップルで来られる方もいらっしゃいます。

旦那さんや彼氏さんが服を見ているときに、奥様や彼女さんは暇だったりするわけですね。
一緒に見てくれたりもするんですが、その中でたまたまメンズの服だけど女性も来られるデザインのものがあったりすると、購入してくださることがあるんです。

これはレディースのものも入れてみたら喜んでもらえるんじゃないかと思いました。
それで店頭に少しだけレディースのものを置いてみたら、かなり好評だったんです。
さらにその時くらいから、女性も男性ものの服をあえて着る、男性用の服のシルエットを選ぶトレンドというか、そういう着方が人気になってきました。
レディースでも同じようなデザインであるけれど、あえてメンズのあのシルエットで着たいというお客様も多くなりましたね。

ディスプレイされたレディースのお洋服の写真

たしかにSNSでもよく見ますし、実際に私(インタビュアー)もメンズものの服を着ることがあります。

(大山さん)
そういう時代なんでしょうね。

仕入れられるお洋服は、流行などを取り入れたものが多いのでしょうか

(佐々木さん)
多少考えたりしますが、どちらかと言えば来店してくださっているお客様のお好みや、お似合いになりそうなものをメインで選ぶことが多いです。
逆にお客様が着ているイメージができないものは売れなかったりするんですよね。

そういう考慮をしつつも、第一に、僕たちがかっこいいと思えるかどうかが一番大事だと思います。

デザインなどで独特なものもありますが、メンズ・レディースどちらにも共通してあまり流行に左右されずに、ずっと長く大事に着ていただけるような洋服をお客様にご提供したいので、比較的スタンダードなアイテムが多いです。

また実際に取引させていただいているブランドさんは、トレンドを全面に推しているというより、ブランド独自の世界観を作り上げていて、その中でものづくりをされているところが多いです。

Collectさんはかなり多くのブランドをお取り扱いされていますが、どうやって選ばれているのでしょうか?

(大山さん)
社内で「これいいですよ」とか「これ取り扱いたいです」などの情報や声の吸い上げもしますし、お客様から「これ良いんじゃない?」とご提案いただくこともあります。

その中でブランドを見て、これだったら当店のコンセプトや、実際に取り扱っているアイテムに対して合う合わないを決めていきます。

お客様の声もしっかり聞いて、仕入れを考えていらっしゃるんですね

(佐々木さん)
参考にさせていただくことも多いですね。

お客様の声と、僕らのアンテナもあるので、それを持ち寄ってという感じでしょうか。
お客様からのご要望などを参考にしつつ、意外性などのファッションの面白さなどを取り入れたご提案をしたいと思っています。
そのために、Webなどのツールを使って様々な情報を集めたりすることも大事です。

そうすることで、お客様の満足度にもつながるのかなと思います。

取材中の様子

メインは日常的に着られるお洋服が多いのでしょうか?

(佐々木さん)
仕事のときにスーツを着られる方はお休みの日に着る用の服という感じですが、コーディネート次第ではビジネスカジュアルとしても活用していただけるものもあります。
そういう服であれば、例えばIT企業の方など、スーツほどかしこまらなくていいけどカジュアルすぎる服装は避けたい、という場合でも着ていただけます。

それが可能なのは、やはり当店が取り扱うブランドの幅が広いことも1つだと思います。

お客様のニーズに合わせて、ご提案できるものが必ずあるんですね

(佐々木さん)
当店に来ていただいた方には「何もなかった」とは言われないと思います。
むしろ「こういう服ありますか?」と聞かれたものに対しては絶対「あります」と答えられます。
考え方とか、提案の仕方ですよね。

お客様の層としてはいかがでしょうか

(佐々木さん)
若い方だと大学生の方もいらっしゃいますし、ご年配でも60代のお客様もいらっしゃいますね。
年齢層の幅も広いのですが、メインはおそらく30代の方とかが多いかなと思います。

当店で扱っている服は安いものではないので、就職して何年かして少し余裕ができたときに見にいらっしゃる方が多いですかね。

年齢層が広いと、やはり長くお付き合いされるお客様もいらっしゃるのではないでしょうか?

(大山さん)
長いね。

(佐々木さん)
長いですね。

1つの年齢層を狙ってやっているわけでもないので、自然とそうなっていました。
また取り扱うブランドも増えていて、新たに当店で取り扱いが始まったブランドを見にいらっしゃるご新規様も多くなっています。

最初の目的は特定のブランドの洋服を見るだけだったお客様も、僕たちがいろいろなアイテムをご提案でオススメさせていただいたりするので、来ていただく度に少しずつ買うものも変わっていく方もいらっしゃいますね。

あとは、当店で買った服を着て、ちょっと良いことがあったらいいなとも思います。

例えば当店で買った新しい服を着た旦那様に奥様が「いいね」って言ってくれたり、大学生のお客様が頑張って買ったジャケットを着て行ったら彼女ができたりなど、新しく買った服を着て少しでもポジティブなことが起こったらいいなと思いますね。

新しい洋服で良い思い出をつくる。素敵ですね

(佐々木さん)
そうですね。
自己満足な世界ではありますが、当店でご購入いただいたお洋服を着て、何か少しでも良いことがあってほしいと思います。

  

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