ハイカラ通り商店街

ぐりーんろーず山形屋店「街のお花屋さんとして、年齢性別問わず気軽に立ち寄ってもらえる空気感を作りたい」

ぐりーんろーず山形屋店さんで「働く人」

フラワーアレンジメントのお花

柴髙さんはずっとこのお仕事をされているということですが、もともとお花の勉強をされていたのですか?

いいえ、勉強は特にしていなくて、母親がお花が好きでその影響もあると思うのですが、自分自身もお花が好きでしたね。

もともと花屋の仕事をしようと思っていたわけではないのですが、やり始めたらはまってしまいました。

実際にお花のどういう部分が好きなのですか?

生けることも好きですが、お花が入荷してくる日がとても好きで、競りが終わってお店に新しい花が入ってくる、その瞬間が好きです。

それは昔から変わっていなくて、「今日はどんな花が入ってくるのだろう」というワクワク感があって大好きなんです。

同じ花でも作った人によって全然違いますし、同じ種類でも色の出る具合が違ったり、その時々でまったく違うんですよね。

ちなみに柴髙さんが一番好きな花はなんですか?

うーん、一番難しい質問ですね(笑)

たくさんあって種類は選べませんが、白い色の花が好きです。

白い花は、結婚式などのお祝いやお葬式などのお悔やみなど、人生の節目に幅広く使われる花です。何の色にも染まっていない、悲しいとき、嬉しいときにそっと寄り添ってくれる白い花が個人的には好きですね。

柴髙さん個人として、お仕事をするうえで心がけていることはありますか?

私は前オーナーが経営していたころからこのお店で働いていたので、そのときのコンセプトの「プロの技術をアマチュアの心で」というところを教訓としてはいますね。

お客様の目線でお客様と一緒にお花を選ぶ。先ほどお話しした、お店として大事にしているところにも共通しますが、お客様が伝えたいことをいかに汲み取れるか、そしてそれを想像する力も必要だと思っています。

お客様にもよりますが、花束やフラワーアレンジメントを注文される際、お任せで私たちに託してくださる方も割といらっしゃるのですが、やはりこだわりのある方にはできるだけ話を伺って自分の中で想像して制作するようにしています。

そういうアレンジの技術は実践の中で学ぶものなのですか?

私が若いころは、月1回、営業時間後に時間を設けて、前のオーナーにアレンジを教わったりもしていました。今も日々勉強です。

専門学校などでもフラワーアレンジメントの基本は教わると思うのですが、やはり学校で習うのと実践とはでは違いますからね。

私もそうでしたが、基本はどのお店でも、先輩が後輩に受け継いでいくものじゃないかなと思います。

ぐりーんろーず山形屋店さんにも新人の方がいらっしゃるそうですが、柴髙さんも後輩の育成というところには力を入れているのですか?

そうですね。比較的上手なので教え甲斐がありますし、吸収も早いです。技術面はもちろん指導しますが、先ほどお話しした自分の教訓というところは伝えたことはないですね。

私は前のオーナーから教わっていますが、今はオーナーが変わりましたし、教え方もきっと違うと思います。

今のオーナーは年齢も若いですし、考え方が柔軟で優しい。昔から働いている私たちの考えも尊重して、ほとんど任せてくださっています。あまり細かいことは言わず、自由にさせていただいているので、とても働きやすいです。だからこそ私も、自分のモットーや考え方を後輩に伝えるということはあえてしていないですね。

お仕事をしていて大変なことはありますか?

毎年のことなのですが、母の日や年末、卒業シーズンといった繁忙期はほとんど家にいられないぐらい忙しい時期で、それが毎年大変ですね。

生花なので作り置きができず、母の日の時期は作業が終わるのが深夜になることもあってダウンしそうになることもしばしばです(笑)

それから、お客様が望んだものと違う出来のものをお渡ししてしまったときの反応を見て、「ああ、違ったんだな」と思うこともあるので、そのときはまだまだだなと反省しています。

逆に、すごくうれしかったことや、この仕事をやっていて良かったなと思うことはありますか?

喜んで帰っていただくことが一番うれしいのですが、贈り主の方で、お店までわざわざお礼を言いに来てくださる方が結構いらっしゃって、「贈った人にすごく喜んでもらえた」という声を伝えるためにわざわざ来ていただけるとすごくうれしいですね。

「また来るわね」「またお願いするわね」と言っていただけるのが一番うれしいです。

では常連さんも多いのですね。

多いですね。20年、30年くらい来ていただいている方もいらっしゃいますね。

私もぐりーんろーずでずっと働いているので、お客様とともに歳を重ねています。ですが、急にお店にいらっしゃらなくなると、どうしたんだろうと心配になりますね。年配の方は特に、ご病気されたりとかもあるので。

「母が生前、『前にここでお花を買ってた』と言っていたから」と、その方の娘さんがお花を買いに来てくださったり、生前にその方が娘さんにこのお店のことをちゃんと伝えてくださっていて、「ここのお花が喜ぶと思うから」と言ってわざわざ買いに来てくださることがうれしいです。

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