若草通商店街

株式会社ライトライト「『若草』の名にふさわしいスタートアップの新芽が生まれる街に」

ライトライトさんで働く「人」

relayのロゴを持つ満園さんと松田さん

ここからはお二人の業務についてお伺いしたいのですが、現在の業務内容を教えてください

(満園さん)
私は管理部として、もう1名のメンバーとバックオフィスの部分を担当しています。人事や法務、総務など、幅広い業務を任されています。

先ほど、前職では会計事務所で働いていたとお聞きしましたが、ライトライトへ転職するきっかけを聞かせてください

(満園さん)
もともと東京の大学に進学して、ベンチャー企業で3〜4年働いていました。その後、地元の延岡に戻って会計事務所で働いていたのですが、事業者さんとの面談では事業承継の話題がよく挙がりました。社長と面談をして雑談交じりに「事業承継はどうですか」と話を振ると、「跡継ぎの子どもも地元に帰ってこない」と頭を抱えられるんです。やはり小規模事業者の後継者不足は大きな社会課題だと感じる一方で、内心では「子どもや親族以外の選択肢もあるのでは」と考えていました。

そんなときに偶然ネットニュースでrelayのサービス開始を知りました。サービス内容を知った瞬間に「これだ!」と感じました。第三者への継承は本当に難しいのか、と課題意識を感じていたタイミングで、その解決策となるサービス開始。それも地元の宮崎のベンチャー企業と聞いて、すぐに興味を引かれました。

ただ当時は会計事務所に入社して2年目くらいだったので、もう少し会計の知識を学んで、セールスだけでなくバックオフィスでも働けるようになってから応募してみようと考えました。その2年後くらいのタイミングで本格的に転職を考えていたところ、ちょうどライトライトの求人募集を知り、その場で応募を決め入社に至りました。それが2022年の11月になります。

松田さんはどのような経緯で入社されたのでしょうか

(松田さん)
ここではあえて「さん付け」で話しをさせてもらいますが、私と代表である齋藤さんは、卒業した高校が同じという縁があります。大学生時代、学生と社会人の交流会に参加した際に、同窓生というつながりがあり同じ卓でお話しさせていただきました。齋藤さんは当時クラウドファンディングサービスのFAAVOに取り組んでいたのですが、せっかくの機会と感じ思い切ってインターンをお願いしました。高校の後輩ということもあり快く承諾してくださり、そこから約2年ほどインターンとしてFAAVOで働かせてもらいました。

大学を卒業後は、もともと興味があった広告マーケティング事業に携われる広告代理店に就職しました。仕事そのものにやりがいはあったのですが、広告代理店ではパソコンや数字と向き合う日々が続き、お客様と直接お話しする機会は限られていました。FAAVOでインターンをした経験は自分の中でも大きく、特に人と人が対面でつながる仕事の楽しさにやりがいを感じていました。自分が働くうえでの意義や楽しさを見つめ直したときに、やっぱり人とつながる仕事がしたいと考え、広告代理店を退職しました。

FAAVOでは齋藤さんはもちろん、現在ライトライトの取締役で齋藤さんのパートナーでもある齋藤めぐみさんとも親しくさせていただきました。前職を退職後、何をしようか真剣に考えているとき、このままフラフラするのも良くないなと思い、めぐみさんに連絡を取りお話しする時間をいただきました。そこで自分の思いや仕事へのやりがいについて話をすると、「ライトライトで働いてみては」とオファーをいただきました。自分にとっては願ってもないお話で、2022年の2月に正式に採用されました。

人の縁がライトライトへの入社につながったわけですね。今はどういった業務を担当されているのでしょうか

ライトライトとrelayのステッカー

(松田さん)
relayには、事業承継を検討している事業者さんが相談をするパートナーさんが複数います。自治体をはじめ、民間企業や税理士などが含まれるのですが、そうしたパートナーさんとの窓口役を担当しています。

事業承継を具体的に検討する前段階、あるいはこれから事業承継を始めるといった方々の「取っ掛かり」となる役割です。

それと並行して、数は少ないですが売り手さんと買い手さんとつなぐコーディネーター業務も担当しています。

実際に案件に取り組んでいて、印象的だったエピソードはありますか

(松田さん)
私が入社して初めてコーディネーターを担当した案件になるのですが、南宮崎駅の1階にある「お食事処ライオン」という食堂です。創業から約60年間、ご夫婦で営まれてきた老舗の食堂でした。まだまだ頑張りたいという気持ちはあるものの、年齢もありそろそろ誰かに引き継ぐタイミングとご相談をいただきました。

※「お食事処ライオン」の事例インタビュー
【成約事例インタビュー】決め手は、人柄。「お食事処ライオン」を3代目に引き継ぐために

本当にいつも笑顔が素敵なご夫婦で、私もコミュニケーションを取るうちにすっかりご夫婦や食堂のファンになりました。最終的に近くでお弁当屋さんを営んでいる方が引き継ぎたいとお話をいただき、無事にマッチングが成立しました。

relayではマッチングが成立した際に、ささやかですがセレモニーを実施しています。売り手さんへ「長年お疲れ様でした」という気持ちと、買い手さんへ「これからも頑張ってください」という気持ちを込めたセレモニーです。そのときに、いつもハツラツとして笑顔を絶やさないご主人が、初めて涙を流されました。その瞬間に、この仕事はこういう「思い」まで引き継がれていく仕事なんだと、深く胸に刺さるものがありました。

入社の経緯でもお話ししましたが、もともと事業承継という仕組みや良さをまったく知らない状態から入社し、初めての案件に取り組みました。本当に初心者の段階で、事業承継の意義を深く理解できていない部分がありました。ただ、そのセレモニーでの出来事のおかげで、この仕事を頑張っていく原点に気付かせてもらえたというか。今でも業務で難しい場面に出くわしたときは、このときの原体験を思い出すようにしています。それくらい自分にとって財産になるような出来事でした。

今でもrelayのメンバーを誘って、お昼を食べに伺ったりしています。案件が成立した後にも、つながりが続いていく素敵な関係を築けています。

仕事は案件が完了すると「それきり」の関係になりがちですが、その先のつながりがあるというのはとても魅力的に感じます。満園さんの、印象的だったエピソードも教えてください

(満園さん)
若草通商店街のオフィスは2022年の8月にオープンしましたが、メンバーは基本的にリモートで業務に取り組みます。自分も延岡から週に一度出社して、それ以外はリモートワークで業務にあたっています。最初に入社したときは、「事業承継をリモートでできるのか」と半信半疑な部分がありました。

そんなタイミングで、沖縄に住んでいるメンバーが担当した案件で、北海道の事業承継を成約させました。それを体験したときに、率直に「すごいな」と。南の端の人が北の端の人の事業承継をサポートできるんだな、というのがすごく印象的でした。

もちろん本人の力量はありますし、協力機関の方が現地を訪れているので完全リモートとまではいきません。ですが、リモートをベースとした体制で全国規模で事業承継を成立できるrelayというサービスに大きな可能性を感じた出来事でした。

どうしても対面をベースにしてしまうと、地方の案件は取りこぼされてしまいます。特に民間企業がサービスとして運営するには、首都圏のほうがビジネスとして効率的です。そういった状況で、リモートの機動性の良さを生かして地方の小規模な案件を承継できるのは大きな意義があると思っています。

沖縄以外にも、全国にメンバーが在籍しているのでしょうか

(満園さん)
宮崎、沖縄以外にも北は岩手、それから福井や長野、大阪や広島にもメンバーはいます。コロナ禍でリモートでの業務ややり取りが市民権を得た点も、サービスにとっては追い風だったかもしれませんね。

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