ハイカラ通り商店街

酒屋 ふってもはれても「その日にお店に来てくださったお客様に、“欲しかった一本”を見つけてもらえたら嬉しい」

酒屋 ふってもはれてもさんと「街中」

先ほど、街中にお店を構えた理由をお聞きしましたが、その中で「ハイカラ通り」を選んだ理由は何だったのですか?

(伸子さん)
十数年前に山形屋の裏でお店を借りて、シェアショップをしていました。なので、今のお店ができる以前からこのハイカラ通りを含め、東側にはなじみがあったんです。

「Pass the wine!(パスザワイン)」という飲食店で、本店の酒店にはテイスティングの場がなかったため、週1、2回だけでも私が扱っている商品をその場で飲んでもらいたいという思いから始めたのが最初のきっかけです。

お料理を作ってくれる人がいて、私はアルコールの提供をして、営業は金曜日と土曜日だけ。その他の曜日は、チャレンジショップのような形で、カレー屋さんやブリトー屋さんなど、毎日いろいろな人が交代でお店を出すということをしていました。「お店を出したいけれど自分の店舗を持つのは難しい」と考える方々も、この形であれば挑戦しやすいのでしょうね。

「Pass the wine!(パスザワイン)」は7年くらい営業を続けたのち、シェアショップは息子に譲りました。

その後、息子が探してきた場所が、今、ふってもはれてもを営業しているこの場所だったんです。ちょうどそのころ、半地下に住む家族を題材にした「パラサイト」という映画が話題になっていたこともあり、半地下の物件を探していたようです。

もともとは息子がこの場所でお店を始める予定だったのですが、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行し始めた時期だったことにくわえ、私たちが事業継承するタイミングとも重なって、この場所を使って私たちがお店を始めることになりました。

またこの店もいずれ息子たちの代につながるんじゃないでしょうか。まったく別の人が事業を引き継ぐかもしれないですしね。

“飲み”となると、やはりニシタチ(西橘通り)のほうがアルコールを置く飲食店が多いと思うのですが、ふってもはれてもさんがお店を構えるハイカラ通りにもそういうお店が増えてほしいと思いますか?

(伸子さん)
いややっぱりね、西(西橘通を中心とするエリア)と東(ハイカラ通りがあるエリア)のそれぞれの特徴は大事にしたいですよね。

西はやはり“夜の街”ならではの賑わいを、東はアパレルショップやカフェ、美容室など、幅広いジャンルの情報を発信する場所として、それぞれの文化や雰囲気を大切にしたいと思いますね。

酒屋 ふってもはれてもさんの「これから」

これからやってみたいことなどはありますか?

(和久さん)
個人的にはずっとやっているサーフィンをこれからも続けていきたいですね。

今だからこそなんですけど、数年前からサーフィンを再開しましたが、それまではずっと仕事ばかりだったので、この何十年間は年に1、2回ほどしか行けてなかったんですよ。このお店を始めてから時間に余裕ができて、サーフィンも再開できるようになりました。

朝5時に起きてサーフィンに行って、7時くらいから2時間くらい海に入って、それからお店に来ています。

海に行けば、名前はわからないけど顔はわかる人がたくさんいますし、年齢に関係なく友達ができます。仲間がいるから、やれる限り続けていきたいですね。

お店としてはどうですか?イベントなどもされる予定があるのですか?

(和久さん)
そうですね。2024年はまず日本酒を飲む会をして、その後ワインの試飲会をして。今後も月1回のペースで、定期的にイベントを開催する予定です。音楽も好きなので、音楽イベントもやりたいですし、自分たちも一緒に楽しめるイベントを考えていきたいです。

Instagramでイベントの告知をしていて、毎回たくさんの方が参加してくださるのですが、ちょっと人数が増えすぎて十分な対応ができなくなってきているので、今年からは少人数でのイベントを少しずつやっていこうかなと思っています。まずは、身近な人たちを応援するようなイベントを開催していければいいですね。

街ぐる取材班 編集後記

黒田千鶴

ライター
黒田千鶴

インタビュー中は終始笑いの絶えない時間で、お酒を販売することだけでなく、訪れた人に元気を与えてくれる、そんなお店でした。「お酒のことをもっと知ってもらいたい」という思いが、営業スタイルからもよく伝わってきました。

ゴミ拾いや試飲会など、年間を通してたくさんのイベントを開催し精力的に活動されている、とっても元気なお二人。Instagramでの告知も随時チェックしたいと思います。

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