ゴトーチョウキンさんの「ワークスタイル」
四季通りの今の場所にお店を構えてどのくらい経つのですか?
6、7年くらいだと思うんですが、記念日などには無頓着なのでだいたいでしか覚えていないです(笑)
お店でも制作をするのですか?
お店では簡単な作業をすることが多いですね。金属を溶かしたり延ばしたりなど火を使うような作業は自宅の工房でおこないますが、お店では金属を叩いて線を丸めたり、槌目(つちめ)をつけたり、簡単な作業をおこなっています。
たくさん商品が置いてある印象ですが、だいたい何種類くらいあるのですか?
100種類以上はあると思います。リングやピアス、ブレスレット、ブローチなど、同じ種類でも微妙に形や大きさが違うものもありますし、商品点数でいったらもっと多いかもしれません。素材も、真鍮、シルバー、天然石をあしらったものなど、さまざまです。
かなり多いですね!Instagramでも商品をアップされていますが、新作はどのタイミングで登場するのですか?
特にいつというのは決まっていなくて、不定期ですね。店頭に並ぶ商品の状況を見て、商品を追加したり、新しいデザインのものを作るようにしています。
お客さんはどういう方が多いですか?
若い方と主婦の方が多いです。8割が女性ですね。性別関係なく身につけられるシンプルなデザインのものが多いです。
わりとリーズナブルな価格で販売しているのですが、それも理由があります。アクセサリーを身につける最初のきっかけとして、若い人がお小遣いで買えるくらいの価格のものがあったほうがいいという思いがあるからです。
僕が高校生くらいのときには、低価格で買えるアクセサリーはそこまで多くなかったですし、そもそもお店自体もあまりなかったんですよね。だから自分自身が高校生だったころのことを考えながら、「こういうお店があったらいいな」と思って作っています。「自由に見てください」というスタイルなので、気軽にお店に来ていただけるとうれしいですね。
このお仕事をしていてうれしかったことはありますか?
前に宮崎に旅行に来たときに購入していただき、それを気に入ってつけてくれていて、うちのお店目当てでまた宮崎に来たというお客さんがいて、そういうのがうれしいというか、ありがたいですね。
それから、学生のころから来ていたお客さんが就職で県外に行って、帰省したときにまた来てくれるというのもうれしいですね。
そもそも、“自分のお小遣いで買える、プチプラだけどそれなりにきちんとしたものを身につけてほしい”という思いがあるので、うちの商品を、アクセサリーを身につけるきっかけとして最初に手にとってもらえればと思っています。
リングなどのアクセサリーに対して、高価で手に取りにくいと感じ、敷居が高いイメージを持たれがちですが、そのイメージをなくしてもらいたいというのがあるんですよね。もちろん、何かの記念として身につけるものもあるとは思うのですが、あまり特別なものとして考えなくてもいいと思う部分もあります。
それに、普段からアクセサリーをつけ慣れていない人も多いと思うんですよね。早くから身につけることに慣れていれば、選び方も合わせ方もだんだん上手になるので、若いときから気軽にアクセサリーを選べるような店があったらいいかなって。僕は学生時代からつけていたので、あまり抵抗がありません。
普通は学生だと金銭的にリングなども何本も買えないですからね。自分の学生時代のことを思い出しながら、「この金額だったら買えるかな」と値段設定を考えています。
服を着替えるように、リングもその日の気分で選べるものがあってもいいと思うんです。もちろん、高価で大事にしているものを肌見放さず毎日身につけることもいいと思いますし、人それぞれいろいろなスタイルがあってもいいんじゃないでしょうかね。
私がとても魅力だと感じたのが、手作りで一点ものというところです。同じように見えても微妙に形が違いますよね。
そうですね。点数が多いと悩んでしまうので、商売としてはあまり良くないのかもしれませんが(笑)
ただ、慣れてくると自分にあったものを探せるようになりますし、掘り出し物を見つけるようなワクワク感みたいなものもあります。悩みながら選ぶことのおもしろさも感じてほしいなと思っています。
最初は「迷うな」と思うかもしませんが、その繰り返しで自分にあったものを見つける感覚が養われていく気がするんですよね。
アクセサリーを作るうえで、大切にしていることやこだわりはありますか?
アクセサリーは服と一緒で、流行もありますが、シンプルで定番のものを作ることがまず基本だと思っていて、そこからプラスするという感じです。
どちらかというと、付け足していこうとするより余計なものはどんどん削ぎ落としていくというスタイルは昔から変わっていません。
そして結局、ずっと身につけるものはこういうシンプルなものになるし、どんなファッションにも合わせやすいというのもありますよね。
ものづくりをするうえで大切にしていることは、「自分が好きなことをやる」ことですね。当たり前かもしれませんが、やっていてストレスを感じないことが一番だと思っています。
以前は無理して仕事を受けることも多く、かなり忙しくてストレスがたまっていたようで、ある日耳鳴りがして耳が聞こえにくくなったと思ったら、突発性難聴になってしまっていたんです。そこから、無理をしない働き方に変えましたね。
今はオーダーなどもセーブしているとおっしゃっていましたもんね。
今は母親の介護などもあり、納期が決まっているオーダーはお断りしていますね。落ち着いたら、ネット販売はやってみたいなと思っています。
ただ、「前に購入したピアスの片方をなくしたから作ってほしい」などの依頼に関しては、忙しくてもなるべく早く優先して対応するようにしています
というのも、僕個人の考え方ですが、わざわざお店に来て購入してくださるお客さんを大切にしたいという思いがあって。アクセサリーをリーズナブルな価格で販売しているのは、お店に足を運んで買いに来てくれるからという理由もあるんですよね。
ただ、リーズナブルだからといって手を抜いているということではなく、しっかりと作った商品を、いかに手にとってもらいやすい価格で販売できるかというところを考えています
商品だけでなく、お店づくりでこだわっていることはありますか?
自分の世界観があるので、既製品だとなかなか合うものがないんですよね。だからお店で使っている什器はほとんど自分で作っています。
そうなんですね!かなり本格的ですね。
もともとDIYが好きなので、休みの日は仕事に関係なく作ることもあります。やっぱりものづくりが好きなんですよね。
ここにあるイスやテーブル、商品を展示してあるラックも手作りです。